比較対象となる代表的なサービスの紹介
スマートフォンのような高性能な端末をインターネットに接続できる方法は主に3つ。自宅に光ファイバーケーブルを繋いで固定回線を敷く方法と、携帯電話のキャリアと契約を結び限られた容量でやりくりをする方法、そして専用の無線回線を用意し好きな場所でいつでもネットに繋ぐ方法。
いずれも決して完璧なサービスではないため一長一短です。つまり、人それぞれでどれを選ぶべきかということが異なるため、私たちは3者をしっかりと比較検討する必要があります。今回は、固定回線、キャリア、WiMAX、それぞれの優秀なプランをピックアップし、料金や内容など詳細に比較していきたいと思います。
固定回線より「フレッツ光」
固定回線として最も代表的な回線業者と言えばNTTですよね。そのNTTが提供しているサービスと言えば「フレッツ光」です。このサービスは日本列島の西側と東側とで分かれておりますが、どちらもサービスの品質においては全く同じであるため、今回は一括りにしてフレッツ光を紹介します。
また、固定回線にはもう1つの選択肢としてNURO光が存在しますが、NURO光はまだ新しいサービスであり、対応している地域がフレッツ光よりもかなり狭いという部分を鑑みて、フレッツ光を固定回線の代表として選出させていただきました。
キャリアより「ドコモ」
キャリアには有名な業者が3社存在します。au、ソフトバンク、そしてドコモ。この中で最も優れているのは個人的にはドコモではないかと考えいます。なぜなら、auやソフトバンクの回線に比べて明らかに電波が強い傾向にあるからです。auでは電波が2本。ソフトバンクなら圏外。そんな場所でもドコモはしっかりアンテナが立っている。こういった現象が多いのは実際に使用しているユーザーたちの口コミから分かります。
また、料金面に関しても格安SIMを提供していることから、幅広い層に合ったプランを提供するその姿勢を鑑みてドコモをキャリアの代表として選出しました。
WiMAXより「カシモWiMAX」
WiMAXの場合はどのプロバイダを選んでも回線の対応エリアや通信速度が変わらないため、こちらだけプロバイダを1つ選んで代表として選出することにしました。カシモWiMAXは他社に比べて総合的に支払う料金が最もお得であるプロバイダであり、ややこしい料金プランの内容ではないというところから、比較する上で便利だろうと判断しています。
以上、各インターネット通信手段より選出した代表的なサービスを詳細に比較していきます。
詳細比較表
固定回線・キャリア・WiMAXの魅力が一発で分かるように比較表でまずはそれぞれのサービスの内容を並べていきます。まずは各々で気になっている部分をチェックしてみましょう。
フレッツ光 | ドコモ | カシモWiMAX |
---|---|---|
フレッツ光クロス(戸建て向け) |
5Gギガライト |
3年プラン |
フレッツ光クロス |
NTTドコモ |
Galaxy 5G Mobile Wi-Fi SCR01 |
初期費用 19,800円 |
初期費用 0円 | 初期費用 0円 |
全国に対応しているが、自宅やオフィスなど特定の場所でしか使えない。 | 全国各地の外出先で使用可能 | 全国各地の外出先で使用可能 |
別途プロバイダ使用料が必要 |
- | - |
毎月のデータ通信量 無制限 |
5Gギガライト |
毎月のデータ通信量 無制限 |
実際にネットに接続できるようになるまで1か月以上かかる。 | 契約後にSIMカードを差せばすぐに使える。 | 契約後にSIMカードを差せばすぐに使える。 |
本来通信の安定さはあるはずだが、選んだプロバイダによっては品質が下がることも。 | 5Gギガライトプランの場合、毎月のデータ通信量によって支払金額が異なる。またキャリアのため通話も可能。 | カシモWiMAXの場合最新のWiFiルーターが0円で貰える。 |
違約金あり | 違約金あり | 違約金あり |
今回、比較対象としているのは上から順番に代表的なプランの月額料金、みん速による下りの平均通信速度、初期費用の有無、対応エリア、プロバイダ使用料、毎月のデータ通信量、工事などに掛かる期間、違約金の有無となっています。
みるべきポイントごとに比較
ここからは3者を比較する上で必ず見るべきポイントの紹介と、実際に並べてみた上で評価を下していきます。
コストパフォーマンスについて
フレッツ光の場合、戸建か集合住宅かによって料金が異なりますが、日本では戸建住宅にお住いの方よりもマンション在住の方が多いため、今回は月額4,785円のプランで検討します。ドコモの場合は5Gギガライトの月額2,178円。カシモWiMAXに関しては3年プランの4,455円です。
インターネットは非常に便利なサービスですが、毎月定額の料金を支払うのは家計を維持する上でなかなかの痛手となります。そのため、できれば安い方が良いと考えている人ばかりでしょう。それを考えた場合、最も表面上良心的なサービスはドコモの5Gギガライトプランでしょう。ただし、最安で利用するためには毎月のデータ通信量をたったの1GBに抑える必要があるため、なかなか現実的ではないという部分もあります。
私個人の場合、あまりスマートフォンでインターネットを使うことが少ないため、毎月300MB程度の使用量で済んでいますが、もし、毎日のようにYoutubeで動画を視聴するような人であれば、まず月間1GBでは収まらないと考えて良いです。つまり、多くの人にとって、実際には月2,000円程度では済まないと考えるべきでしょう。
また、コストパフォーマンスの観点から考えれば、たった1GBのために数千円も支払うのは全く持ってナンセンスです。フレッツ光やカシモWiMAXであればいくら使っても定額数千円の出費で済むのに、キャリアであるドコモの場合は少量のインターネット通信量に対して明らかに割高の料金設定ということが断言できます。つまり、普段からインターネットの観覧を多くする人にとって、ドコモなどのキャリアを選択するという行為はあまりオススメでいるものではありません。
通信回線の安定性や速度について
インターネット通信業者を比較する上でも最も重要なのは回線のクオリティです。具体的には安定性だけでなく、サーバーからデータをダウンロードする時の通信速度が最も重要視されます。なぜなら、私たちは普段からインターネットを観覧する際にダウンロードを頻繁におこなっているからです。あるサイト1つを開くだけでも膨大なダウンロードが行われています。つまり、このダウンロード速度が早くなければサクサクとインターネットを楽しむことはできません。
回線のクオリティを考えれば、最も優れているサービスはダントツでフレッツ光です。集合住宅向けのフレッツ光ネクストでは平均通信速度が300Mbpsほど出ており、他のサービスに比べて飛びぬけて快適であることが証明されています。逆に、ワーストを見るとカシモWiMAXの81Mbpsが挙がられますが、正直なところ、ここまでのダウンロード速度が出ていれば、どんなYoutubeの動画を視聴したところで快適に見られると断言できるため、必要最低限のクオリティはどの業者も持っていると考えて良いでしょう。
ただし、回線の安定性に関して言うのであれば、どうしても光ファイバーケーブルを直接有線で繋げてインターネットに接続しているフレッツ光が有利となります。ドコモやカシモWiMAXの場合はあくまでも無線でのインターネット接続となってしまうため物理的に不利なのです。また、キャリアのドコモに関しては全国各地で明らかにアンテナが立つ本数が多いという評価があるものの、カシモWiMAXについてはまだまだ発展途上の段階と言えます。この3者の中では確実に電波の安定性に欠けます。例えば、電波が届きにくい建物の奥まった場所ではどうしても仕組み上回線速度が落ちてしまいます。
インターネットが使えるようになるまでの期間について
残念なことに、キャリアのドコモやカシモWiMAXなどと異なり、固定回線のフレッツ光は工事に掛かる時間が圧倒的に長いというデメリットがあります。
光回線の開通には事前にその建物が光ファイバーケーブルを電柱から繋げておかなければならないのですが、それが出来ていない場合は待ち時間が数か月掛かることでしょう。最近では、入居前からすでに光開通工事が行われているマンションが増えましたが、それでも基本的に1か月という期間、インターネットに繋げるようにまるまでに時間が要されます。
特に春や秋が近づいてくると、引っ越しのシーズンと重なることで、回線工事の予約が物凄く混雑し、「入居するマンションが決まったのに、実際に光回線が使えるようになるのは、入居してからしばらく経った後になってしまった・・・」という人が続出します。
しかし、ドコモやカシモWiMAXであればそもそも工事自体が不要なため、契約後に各種端末にSIMカードを差すだけでその場ですぐにインターネット接続ができるようになっているのです。この点を考えると、急いでネットを使えるようにしたいという人の場合、固定回線はオススメできないでしょう。また、手続きの多さに関してもやはり固定回線は大変ですので、何度も電話をする必要がありますし、プロバイダを別途選んで契約する必要まで出てくるため、近年では最もハードルが高いと言っても過言ではありません。